• チャーシューメン/キャベチャ

  • ラーメンが食いたい。しかも、濃いヤツと白飯をガツンとかき込みたい。そんな衝動が夜更けに訪れること、誰にだってあるだろう。ましてや雪が降る寒空の下、仕事でクタクタになった身体には、あの一杯が染みるに決まっている。

    で、真夜中にやっているラーメン屋といえば、やっぱりここだ。悪天候?そんなもの関係ない。電車を途中下車しようが、タクシーを捕まえようが、頭の中はもうラーメンでいっぱいだ。行くしかない。いや、行かねばならない。こうして俺はまた、背徳の扉を開く。

    店に入ると、湯気の向こうに見慣れない店員が立っている。あれ、いつもの人じゃない。でも、それはそれでアリだ。むしろ楽しみ。注文したのは、もちろんラーメンと白飯。何も考えずに口に運ぶ。

    違う。いつもと少し味が違う。でも、これがまたいい。絶妙なバランスで白飯が進む。レンゲでスープをすくい、米をかき込む。まずはキャベチャで一杯目の白飯。ラーメンのスープを染み込ませながら、二杯目もペロリ。気がつけば、箸が止まることはなかった。

    食い終えた瞬間、いつもの後悔がじんわりと訪れる。でも、それがまた、このラーメンの魅力だ。疲れた身体に、背徳の一杯。ごちそうさまでした。また来るよ、たぶんな。