2022年10月11日(火)
昨日は初日の出張を終えてからこちらの店を初訪問。
出自や創業に関する情報は一切無いものの、事前にネットで調べた限りでは地元で長年に渡って愛されている老舗の様です。
16時50分に到着すると、夕食には未だ早めな時間にも関わらず、店内では6名の先客が既にラーメンを食べている状況です。
席に着いて「Aセット」を注文すると、待つ事5分ほどで先に炒飯が到着です。
早速食べてみると、米粒はパラリと仕上がりつつも潤いを保っていて、味付けは至ってシンプル且つ軽めに施されている印象です。
噛み締めると米の甘味が口の中に広がると共に、微塵切りのニンジンや玉ネギが食感や味わいにさり気ないアクセントを与えます。
炒飯を食べていると店主から麺の硬さを聞かれた為、迷わず「普通」と伝えると炒飯から遅れる事2分ほどでラーメンが到着です。
強く乳化されたスープは微かに粘度を帯びていて、極細麺の上にはチャーシュー、海苔、胡麻、刻みネギ、紅生姜が乗っています。
先ずはスープを飲んでみると、仄かに効いた元ダレの塩味と共に、円やかでいて臭味のない豚骨出汁の旨味が口の中に広がります。
出汁は豚骨主体と思われるものの、自ら味わう限りでは鶏の旨味も少なからず介在している様な気がします。
また、スープからは髄の旨味や骨感を存分に感じるものの、その手の豚骨に時折感じられる不快な臭気は見事に抑えられています。
スープの濃度は決して高い訳ではないものの、適度な油分が緻密な乳化を保つ事で脂っぽさを伴わず味わいに円やかさを与えます。
総じて言うと、化調が味わいを牽引する古い構成ではあるものの、バランスを研き上げつつ極めて上品に纏められている印象です。
次に麺を食べてみると、低加水寄りの極細麺が適度な硬さに茹でられていて、靱やかなコシと共に鮮やかな小麦の風味を感じます。
そして、極細麺にはスープが潤沢に絡み込み、小麦の甘味とスープの旨味が調和する事で味わいに豊潤な膨らみが生み出されます。
次にチャーシューを食べてみると、豚腿肉と思しき脂身の希薄な煮豚が適度な厚みにスライスされています。
ただ、肉質は固くパサ付いていて、尚且つ旨味も幾分抜け気味である事から、噛み締めても肉質の旨味が些か伝わり難い印象です。
食べ終えた感想ですが、私の中ではノーマークの店ではあったものの、レトロ感と洗練性を兼ね備えた極めて秀逸な味わいでした。
改めて訪れる機会があれば、次回は「ワンタンメン」を是非試してみたいと思います。
ご馳走さまでした。