一体全体何故この場所にいるのか。深夜の僕たちはお客様に連れられこの地に降り立った。明らかに我々は渋谷のバーから酔っ払って自宅の斜め上方向に移動した。村上春樹「ノルウェイの森」で主人公が阿美寮へ駆られるような感覚で。と言う事はこのラーメンは、この街のサナトリウムなのか。
もう飲めないよと悲鳴を上げた体は、回った酒のお陰で既に空腹。深夜にもかかわらず、周りには沢山の麺兄麺姐。華金フライデーナイトの港区はこんな事になっているとは。やはりこの世はラーメンに支配されている。啜れすすれ!俺たちはまだ戦えるんだ!そんな勢いと共に僕たちの意識は、暗闇の淵に消えていったのだった。