今回いただいたのは、ラーメン好きにはお馴染み「天下一品」の代名詞とも言える一杯、こってりラーメン大。しかも訪問日は10月1日、「天下一品の日」という特別な日。毎年恒例のイベントとして、ラーメンを一杯注文するごとに次回使えるラーメン無料券が配布されるため、店内は多くのファンで大賑わいでした。
しかし、正直に言えば、いつもと比べてその完成度には物足りなさを感じざるを得ませんでした。丼の中を見れば、麺は盛り付けがやや乱れ、スープも本来の“ドロドロ濃厚”というよりはどこか緩く、水っぽさが目立つ仕上がり。天下一品特有の“唯一無二”の粘度あるスープが楽しめるはずが、この日はその魅力が半減してしまったように思えます。やはり普段と違う忙しさからか、オペレーションの乱れが随所に見え隠れしていました。
さらに気になったのはサイドメニューの光景。厨房の一角には大きなタッパーいっぱいに用意されたチャーハンが置かれており、注文が入るとお玉で取り分け、フライパンで温め直すだけという提供方法。もちろん混雑時の効率を考えれば仕方のない工夫なのかもしれませんが、期待していた「作り立てならではの香ばしさやライブ感」が損なわれ、どこか寂しい気持ちになりました。
とはいえ、それでも天下一品の魅力はやはり特別なもの。多少のブレがあっても、他では味わえない独自のスープと、イベントの活気に包まれる独特の雰囲気は健在です。クオリティに関しては今回は少し残念な印象を受けましたが、次回無料券を手にすれば「次こそはあの本来のこってりを!」という期待が自然と湧いてくるのも事実。
天下一品の日というお祭りの空気に酔いながら、同時に「やっぱり普段の落ち着いた日の方が美味しいのでは?」と改めて思わされる体験となりました。