• 鹿児島黒豚チャーシュー入りラーメン(普)(1100円)

  • 2023年12月17日(日)

    本日はホテルを出てから鹿児島を発つ前にこちらの店を初訪問。

    こちらは創業から73年を迎える鹿児島ラーメンの代名詞的な老舗です。

    11時11分に到着すると、1階のカウンター席は殆どが埋まっている状況です。

    先ずは「普」の食券札を購入し、着席して前に食券札を置くと8分ほどでラーメンが到着です。

    白濁したスープには茶色掛かった油分が浮いていて、細麺の上には細切りのチャーシュー、キャベツ、椎茸、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度な塩味や穏やかな酸味と共に、アッサリとしながらも奥行きに満ちた出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は鶏や豚の動物系に昆布との事ですが、肉質エキスが主体の動物出汁に対し昆布のみならず椎茸の風味が負けじと効いている印象です。

    ただ、スープからは乳化されたラードの独特なクセを感じる事から、この風味が苦手な方には些か馴染み難い味わいである様な気がします。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が柔らかめに茹でられていて、噛み締めると緩やかなコシと共に清々しい小麦の風味を感じます。

    尚、麺はカン水不使用との事ですが、確かに匂いを嗅いでもカン水の気配は全く感じられません。

    そして、スープが絡んだ麺を噛み締めると、小麦の甘味とクセを帯びた油分の風味が調和する事で味わいに形容し難い膨らみが生まれます。

    一方、スープのみを飲んだ時には全く気づかなかったものの、麺を啜り上げると絡んだスープから仄かにニンニクと思しき香りが漂います。

    次にチャーシューを食べてみると、恐らく豚肩ロース辺りと思しき焼豚がブツ切りにされています。

    赤身はパサ付く事なく靱やかな弾力を帯びていて、尚且つ甘めな醤油ダレの風味が相まって緻密な肉質の旨味が舌に鮮明に映し出されます。

    また、湯通しされたキャベツは適度に素材の食感を保っていて、麺に絡めつつ食べると甘味が増す事で味わいに一段と広がりが生まれます。

    食べ終えた感想ですが、クセを帯びたスープとカン水を排した麺の甘味が折り重なる事で味わいに魅惑的なフックを与えている印象でした。

    改めて鹿児島市内を訪れる機会があれば、再びこちらを訪れると共に個性溢れる一杯を堪能したいと思います。

    ご馳走さまでした。