• 中華そば(750円)

  • 2022年12月4日(土)

    昨夜は岡山まで移動して気になっていたこちらの店を初訪問。

    創業の時期は定かではないものの、駅前の繁華街で長年営まれる老舗です。

    19時24分に到着すると、店内ではテーブル席が1卓のみが空いてる状況です。

    早速「中華そば」を注文すると、席で待つ事5分ほどでラーメンが到着です。

    醤油スープは薄らと濁りを帯びていて、細麺の上にはチャーシュー、メンマ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度でいて膨よかな醤油の風味と共に、淡麗でいて重層的な出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は恐らく豚骨主体と思われますが、髄や肉質から出た旨味と共に豚脂のコクが極めてバランス良く配分されている印象です。

    また、その背後では魚介らしき風味が密かに厚みを与えていて、尚且つ昆布から出たと思しき旨味が仄かな後味を生み出します。

    一方、タレは醤油の豊潤な旨味を保っていて、尚且つ加糖で与えたと思しき強めな甘味を帯びています。

    総じて言うと、レトロな豚骨清湯スープを軸としつつ魚介出汁を若干加える事で奥行きをさり気なく底上げした様な味わいです。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が若干硬めに茹でられていて、粘りを帯びた歯触りと共に鮮明な小麦の風味を感じます。

    そして、食べ進めるに連れて低加水麺がスープを吸収する事で、両者の相性が高まると共に味わいに次第と膨らみが増す印象です。

    次にチャーシューを食べてみると、極めて小振りな豚バラ肉の煮豚が幾分厚めにスライスされています。

    肉質は蕩けるほど柔らかく煮込まれていて、深めに染みた醤油の風味が背景となって脂身のコクや甘味が舌に鮮やかに伝わります。

    食べ終えた感想ですが、夜の繁華街で長らく支持されて来た事が違和感なく理解出来る飲んだ後の〆に適した優しい味わいでした。

    一方、純粋な食事として捉えると、些か優し過ぎて満足感に欠ける印象がどうにも否めませんでした。

    改めて訪れる機会があれば、次回は食事としても食べ応えがありそうな「天ぷら(ゲソ天)中華」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。