• 麻辣三種雲呑麺(細麺)、蒸し鶏ネギ油ソース掛けご飯(小)、デザート(850円)

  • タレは焼塩と醤油、麺は細麺(香港麺)と太麺(日本麺)から選べる。タレはとくに訊かれなかったので、詳細は不明。
    丼は斜めに切り立った非水平型。縁の傾斜はさほどきつくない。

    ラー油の辛味と花椒の痺れが強く主張する、旨味が潤沢な鶏ベースの淡麗スープ。麺は香港麺という超極細麺。量は80g。
    雲呑は野菜肉雲呑、海老雲呑、海老焼売雲呑の3種類。この店で提供されている雲呑が、すべて1個ずつ入っている。半分の味玉は黄身が半熟。味はしっかり染みている。具は他にレタスの細切り、万能ネギ。アクセントに干し海老を揚げたもの。

    "麻辣"の名に違わず、辛味と痺れが強烈に支配するスープ。唇の感覚が麻痺する。これだけ振り切っているのは好感が持てる。
    香港麺は驚きの細さで、見た目からは想像できないほどコシが強い。この店で出会わなければ、知ることはなかっただろう。
    量は少ないが、物足りなさは感じない。

    雲呑の皮は共通。適度な厚みでちゅるんとした食感。それでいて、食べ応えがあるもの。餡はどれもたっぷりで、一口で食べるサイズではない。
    野菜肉雲呑は豚ひき肉メインでにら、キャベツなどを合わせたもの。キャベツの食感と、ジューシーな豚ひき肉の旨味が特徴。
    海老雲呑は海老のすり身に海老が数尾。ぷりぷりの食感で非常に美味。
    海老焼売雲呑はそのふたつの合の子で、海老が丸ごと1尾に豚ひき肉など。海老の食感と豚ひき肉の食べ応え、その両方が楽しめる。

    雲呑のボリュームがあるので、麺の量が少なくとも満足感は充分にある。あくまで雲呑専門店なので、雲呑が主で麺が従なのは当然。
    麺と具を食べ終えたら、残ったスープはひとまずそのままで。

    ランチタイムは、蒸し鶏ネギ油ソース掛けご飯(小)とデザートがサービス。
    ご飯に蒸した皮付きの鶏肉が2切れ乗せられて、塩味のネギ油ソースが掛けてある。ご飯の炊き加減は適当。
    蒸した鶏肉はそこそこ厚みがあり、ご飯を食べるには充分すぎる。ソースは刻みネギの食感と、ネギ油の風味が効いて美味。
    価格には含まれているだろうが、これを無料で提供するのはインパクトがある。作り置きのチャーハンなどよりよほど美味しい。

    それから、スープを飲み干す。熱さこそ収まったが、辛味と痺れは依然として健在。
    丼の底には挽かれた花椒がたっぷりと。じゃりじゃり食感で、心地よい刺激。温くなっても、美味いものは美味い。

    デザートは豆花(ドウホワ)か。台湾の屋台料理で、豆乳をゼリー状に固めたもの。もっちり柔らかくて、爪楊枝では食べづらい。
    細かく砕いたココナッツが入っており、食感の対比が非常に面白い。口直しには適当。甘すぎないので、万人受けしそうな味。

    残念だが、2021年11月上旬閉店。