• 中華そば(900円)

  • 2022年8月21日(日)

    一昨夜は翌日の神戸出張に向けた移動のついでにこちらの店を訪問です。

    こちらは神戸でソウルフードとしての地位を確立した創業45年を迎える老舗です。

    尚、私は何度か訪れた事があるものの、記録が無い事から4年以上振りの訪問になると思われます(汗)

    因みに、神戸のラーメンと言われると、私の中では「第一旭」かこちらが真っ先に頭に思い浮かびます。

    18時04分に到着すると、店内の席は概ね半分程度が埋まっている状況です。

    今回も「中華そば」と「焼餃子」を注文すると、席で待つ事僅か3分ほどで先にラーメンが到着です。

    淡色の醤油スープは薄らと濁りを帯びていて、艶やかな極細麺の上にはチャーシュー、モヤシ、大量の刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、軽やかな醤油の風味や塩味と共に、さり気ない厚みを備えた出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は豚に野菜類との事ですが、自ら味わう限りでは椎茸の風味が前面に出つつも豚脂のコクが旨味を底上げしている印象です。

    一方、醤油の風味や塩味は至って緩やかに抑えられていて、尚且つ酸化された醤油から来ると思しき仄かな酸味を帯びています。

    また、一見すると昔ながらの設計ではあるものの、慎重に味わっても化調から来る後味は殆どと言って良いほど舌に残りません。

    次に麺を食べてみると、若干透き通った極細麺が硬めに茹でられていて、強靭なコシや張りと共に仄かな小麦の風味を感じます。

    最初は些かスープの絡みに欠けている様な気がしたものの、麺が即座にスープを吸い込む事で両者の相性が速やかに高まります。

    スープの吸い易さから低加水寄りと推測されますが、一方でコシが強めである事から熟成も存分に施されている様な気がします。

    次にチャーシューを食べてみると、豚腿肉や豚バラ肉の煮豚が何れも極めて薄めにスライスされています。

    味付けは至って軽めに抑えられていて、噛み締めると柔らかな歯応えを感じると共に肉質の素朴な旨味が舌に素直に伝わります。

    そして、遅れて到着した餃子を食べてみると、野菜類が豊富な餡が薄めの皮で包まれた上で焦げ目を帯びるまで焼かれています。

    餡は醤油で適度に味付けされていて、ニンニクのパンチが希薄ではあるものの肉汁のコクや野菜の甘味が舌に存分に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、昔ながらのラーメンではあるものの、椎茸と豚脂を重ねた味わいは今でも尚独創的である様に感じます。

    決してインパクトを与える味わいではないものの、食べ続けると共に次第と病み付きそうな得体の知れない魅力を秘めています。

    改めて訪れる機会があれば、次回は今まで気になっていながらも未だに試せていない「つけ麺」を是非食べてみたいと思います。

    ご馳走さまでした。