• 富士丸ラーメン+ブタカスアブラ+生卵 ソノママ(940円)

  • ひばりヶ丘の二郎に行く予定が本日営業時間終了というとこでこちらへ。
    チンチン電車を利用して向かった先は、人通りの少ない昔ながらの商店街と言ったところか。
    食券を先に買い先待ち3人に接続。
    店員さんに外で炙りやらコールやら量を聞かれる。
    あたかも普段から通っている客のように振舞おうと少し低めの声で注文。
    二郎に来る時は毎度、新規であることに恥じらいを感じるのだ。
    しかし、これも序章に過ぎない。
    さて、そうこうしているうちに店の中に入ると、UVERworldが流れている。
    本店のやや懐かしい音楽とはとって変わって現代的である。
    温故知新とでもいうべきだろうか。
    我々が通された席は座敷。
    そして、『おしぼり』『お冷』『れんげ』
    の三種の神器を調達。
    これがなくては戦は始まらない。
    ここから約20分ほど待つことになる。
    人生という長いスパンでみれば風の前の塵に同じといったところである。
    着丼である。
    店員さんはおぼんを机におき、我々の三種の神器をブルドーザーの如く押し寄せ丼を置くスペースを作った。そして、それをごまかすかのような素敵な笑顔で去っていく。
    きっと「行かないでくれ」と言ってもまたその笑顔でごまかされるような気がした。
    さあ、ここからはしばらく記憶飛んでしまっているわけだが、感情だけは脳裏に焼き付いている。
    美味い、美味すぎる。
    ここまで私を唸らせるラーメンがあっただろうか?
    いや、もはやこれをラーメンと呼ぶことすらも他のラーメン屋からすればおぞましいことである。
    人は人生で死ぬまでに感動する瞬間が何度かあるはずだ。
    フランスの湾上に浮かぶ修道院、モンサンミッシェル越しの夕日。
    反対され続け、結婚式に来ることのなかった父からの祝福の手紙。
    チーム一丸となって苦難を乗り越えて手にした栄光。
    どれも素敵で全てに違ったストーリーがあるだろう。
    そして、私にも今日、ここ富士丸で1つのストーリーが生まれたのだ。
    もちろん、これから再び来店すれば第2章、第3章とこの物語は続いていくだろう。
    ラーメンを通して私のつまらない無色な人生に色を塗ってくれた富士丸。その祖となる二郎暖簾分け店。生みの親、山田拓美総帥。
    これら全てに改めて感謝を覚えた1杯出会った。
    再び会えんことを祈る。

    PS.猫舌過ぎて1口目で火傷した。