• 醤油らぁめん(850円)

  • 2021年12月25日(土)

    本日は私用で渋谷まで訪れたついでにこちらの店を初訪問。

    今や海外展開で大成功を果たした「MENSHO」グループの店です。

    当初はカップで提供する斬新なメニューが特徴的でしたが、最近ネオノス系にシフトしたと聞いていて若干気になっていました。

    12時07分に到着すると、店内の席は大体5割程度の埋まり具合です。

    席に着いてタッチパネルで「醤油らぁめん」を注文すると、待つ事4分ほどで自分の番号が呼ばれると共に受取口にラーメンが到着です。

    淡色の醤油スープには油が存分に浮いていて、強めに縮れた太麺の上にはチャーシュー、メンマ、海苔、ホウレン草、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、薄口醤油と思しき軽やかな風味や塩味と共に、淡麗でいて比較的シンプルな出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は豚が主体の動物系に魚介節と思われますが、動物系が旨味の軸を担いつつも背後で魚介系が味わいに密かな奥行きを与えている印象です。

    一方、スープは醤油や魚介節の穏やかな酸味を帯びていて、尚且つそれが加糖の仄かな甘味と調和する事で味わいに見事な輪郭を与えています。

    尚、浮いた油を飲んでみると、豚清湯である事からラードが主体と思いきや、自ら味わう限りでは寧ろ鶏油が大半を占めている様な気がします。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの太麺が適度な硬さに茹でられていて、歯に吸い付く様なモチモチ感と共に小麦粉の仄かな甘味を感じます。

    そして、太麺には穏やかなスープが薄らと絡み込み、噛み締めると優しいスープの塩味が背景と化して麺の甘味が舌に至って素直に伝わります。

    尚、麺には黒い粒体が混ざり込んではいるものの、全粒粉の気配が感じられない事から本店と同様にキヌアが練り込まれている様な気がします。

    次にチャーシューを食べてみると、小振りでいて適度に醤油ダレが染み込んだ豚バラ肉の煮豚が若干薄めにスライスされています。

    肉質は歯応えを保ちつつも柔らかく煮込まれていて、噛み締めると染みた醤油の風味が背景と化して脂身のコクや甘味が舌に存分に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、決してインパクトを与える味ではないものの、旨味の濃度に頼る事なく酸味や甘味を重ねる事で味わいに見事な輪郭を与えていました。

    私は常々ラーメンは雑味を旨味に変える料理と捉えていますが、その観点では正にラーメンの手本と言っても過言ではない素晴らしい味わいだったと思います。

    尚、最近になって漸く気付いた事ですが、私はどうも乾物魚介の酸味が効いた味に惹かれる傾向がある様です。

    と言う訳で、仮に今後訪れる機会があったとしても、こちらでは当面浮気する事なく「醤油らぁめん」を食べ続けていそうな気がします(苦笑)

    ご馳走さまでした。