• 中華そば(小盛)(580円)

  • 2022年10月8日(土)

    昨日は3軒目に「高山ラーメン」を世に広めたこちらの店を初訪問。

    こちらは「まさごそば」に次ぐ高山の老舗であり、1軒目に訪れた「豆天狗」と同年の1948年(昭和23年)に開業されています。

    また、こちらが1996年からラ博に期間限定で出店した事で、全国的に「高山ラーメン」の存在が知れ渡ったとも言われています。

    因みに、本店は約4年前に現店舗に移転していて、尚且つこちらの2軒隣では御子息が「やよいそば角店」を営んでいる様です(笑)

    12時26分に到着すると、人通りが些か少ない立地である事から、昼食時であるにも関わらず店内には先客が誰も居ない状況です。

    先ずは「中華そば(小盛)」の食券を購入し、席に着いて食券を渡すと3分ほどでラーメンが到着です。

    透明な醤油スープには薄らと油分が浮いていて、緩やかに縮れた細麺の上にはチャーシュー、メンマ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、至って円やかな醤油の風味や塩味と共に、淡麗でいて膨らみに満ちた出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は恐らく鶏主体の動物系に魚介節や野菜と思われますが、何れの旨味も突出する事なく一体となって味わいを構築している印象です。

    ただ、野菜に関しては根菜の甘味と言うよりも、寧ろ椎茸から来ると思しきグアニル酸の旨味が圧倒的な割合を占めている様に感じます。

    一方、醤油の角はスープと一緒に煮る事で丸められてはいるものの、煮詰まる事で塩味が強まる兆候はこの時点では未だ感じられません。

    次に麺を食べてみると、縮れた細麺が適度な硬さに茹でられていて、噛み締めるとプツリとした歯切れと共に仄かな小麦の風味を感じます。

    前の2軒で感じた様な粘りは皆無である事から、こちらの方が幾分多加水寄りある様な気がします。

    そして、細麺にはスープが存分に絡み込み、噛み締めると小麦の甘味とスープの旨味が重なる事で味わいにさり気ない膨らみが生まれます。

    次にチャーシューを食べてみると、小振りな豚バラ肉の煮豚が適度な厚みにスライスされています。

    肉質は柔らかな弾力を保っていて、深めに染みた醤油が脂身の甘味を際立てつつも、総じて淡麗な味わいに鮮やかなアクセントを与えます。

    食べ終えた感想ですが、3軒を一気通貫で食べ比べた事が影響してか、こちらの味わいは些かノスタルジーに偏り過ぎている様に感じました(汗)

    強いて言うならば御当地ラーメンを食べていると言うよりも、出来の良い街中華のラーメンを食べている様な印象が些か否めませんでした。

    改めて訪れる機会があれば、次回は何気に気になっていた「中華ざるそば」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。