• 塩中華そば(900円)

  • 2022年11月11日(金)

    昨夜は仕事を終えてから大宮まで遠征してこちらの店を初訪問。

    こちらはつけ麺の名店である「狼煙」のセカンドブランドであり、昨年発売されたTRYでは新人賞3部門で見事ノミネートされています。

    18時59分に到着すると、店内には先客が僅か1名のみの状況です。

    今回は「塩中華そば」を選択し、席に着いて食券を渡すと待つ事5分ほどでラーメンが到着です。

    琥珀色に染まったスープは仄かな濁りを帯びていて、縮れた手揉み麺の上にはチャーシューや穂先メンマと共に刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、塩味が適度に効いている割には塩分特有の角が極めて希薄である印象です。

    タレの軸はミネラルが豊富な「ぬちまーす」との事ですが、それを加味しても尚塩分の輪郭が極度に取り除かれている印象が否めません。

    一方、蘊蓄によると出汁は鶏が主体との事ですが、私には鶏の旨味よりも寧ろ魚粉を彷彿とさせる風味の方が際立っている様に感じます。

    尚、塩ダレには様々な乾物魚介が使われているとの事ですが、タレのみならず出汁にも明らかに乾物魚介が使われている様な気がします。

    因みに、蘊蓄によると塩ダレには蛤も使われている様ですが、蛤に含まれる琥珀酸の風味は慎重に味わっても尚舌に一向に伝わりません。

    総じて言うと、鶏や乾物魚介の風味は確実に存在してはいるものの、塩味が極端に丸過ぎる事から素材の輪郭が些か暈けている印象です。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの太麺が僅かに硬めに茹でられていて、モチモチとした歯触りと共に瑞々しい小麦の風味を感じます。

    ただ、熱々の状態では麺とスープのコントラストが些か映え難く、冷めるに連れて塩味の角が増すと共に小麦の甘味が漸く姿を現します。

    次にチャーシューを食べてみると、低温調理で仕上げられたと思われる豚肩ロースと鶏胸肉が何れも適度な厚みにスライスされています。

    何れの肉質も瑞々しい食感を保ってはいるものの、塩味が至って控えめである事から肉質の旨味が些か舌に伝わり難い印象が否めません。

    食べ終えた感想ですが、この塩角の丸さに慣れていない事から、旨味の濃度が高い割にはその輪郭が極めて捕らえ難い印象を抱きました。

    ただ、タレが異なると印象がガラリと変わる可能性が高い事から、次回は醤油ダレを使った「中華そば」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。