• 金の鶏中華(950円)

  • 2023年7月8日(土)

    昨日は池袋まで足を伸ばして久しぶりにこちらの店を訪問です。

    こちらは地方の有名店が期間限定で出店する御当地ラーメンのアンテナショップです。

    因みに、日々の仕込みや営業は樹庵さん率いる「渡なべスタイル」が代行しているとの事です。

    尚、現在の出店は全国的に著名な新庄の「新旬屋」であり、来週末に新庄で食べ歩く予定である事から予習がてら訪れた次第です。

    14時55分に到着すると、中途半端な時間である事から店内には先客が誰も見当たらない状況です。

    先ずは「金の鶏中華」の食券を購入し、席に着いて食券を渡すと5分ほどでラーメンが到着です。

    薄らと濁りを帯びたスープには分厚い鶏油の層が浮いていて、太平打ち麺の上には鶏肉、キンカン、ナルト、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、若干強めでいて丸みを帯びた塩味と共に、円やかでいてコクに満ちた出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は間違いなく鶏が主体ではあるものの、自ら味わう限りでは根菜由来と思しき香味や甘味が少なからず介在している様に感じます。

    また、出汁にも鶏のエキスや油分が緻密に溶けてはいるものの、味わいの大半は浮いた鶏油から伝わるコクで占められている印象です。

    一方、タレは塩が基軸である様ですが、発酵調味料の風味もそれなりに存在する事から醤油も少なからず使われている様な気がします。

    また、口に含んだ瞬間はさほど塩味を強くは感じないものの、飲んでから時間が経つに連れて余韻の中で塩味が徐々に強さを増します。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの太麺が硬めに茹でられていて、圧延された麺帯の緻密な歯応えと共に仄かな小麦の風味を感じます。

    そして、平打ち麺にはスープと共に鶏油が存分に絡み込み、小麦の甘味と鶏油のコクが重なる事で味わいに一段と膨らみが増す印象です。

    次に鶏肉を食べてみると、細切りの鶏腿肉がスープで軽く茹でられていて、噛み締めると脂質を含んだ肉質の旨味が口の中に広がります。

    最後にキンカンを食べてみると、薄めな醤油出汁で煮込まれている事から、噛み締めると素材の淡白な旨味が舌に素直に映し出されます。

    食べ終えた感想ですが、鶏のコクや旨味が存分に現れてはいるものの、些か鶏油に偏った味わいである印象がどうにも否めませんでした。

    率直に言うと、2月に樹庵さんが「渡なべ」で期間限定で提供していた「新庄とりもつラーメン」の方が圧倒的に自分好みの味わいでした。

    来週末は「新旬屋」の他にも老舗を食べ歩く予定である事から、本場の新庄で提供される鶏モツラーメンを食べ比べてみたいと思います。

    ご馳走さまでした。