• ラーメン(こってり)

  • 何時までもあると思うな親と金とラーメン屋。いつか行こうと思いつつも素通りしてきた中央市場近くの老舗《味の名門》も店を畳むのだという。最終営業日に滑り込むと、店の外には予想通りの大行列。常連と思しき車椅子の老人が介助の手を借りながら退店しているのを目の当たりにし、何だか胸が熱くなる。
    この店は今も飯モノで牛丼を提供している数少ないラーメン店の一つと聴いていたのだが、最終日という事もあってかメニューからは削除されていた。ああ、何故もっと早く訪店しなかったのか……しかし後悔しても仕方なし。こってりにライスと辛口唐揚げを付けて、最初で最後の《名門》の味をいただく。
    しつこさの無い鶏白湯に背脂のコクとクセが嵌った、クラシカルで王道のこってりラーメン。味が染みた唐揚げもしっかりピリ辛でご飯が旨い。
    総本家は惜しまれつつ閉店したが、名門の味は潰えたわけではなく守山店が最後の砦になるのだという。しかし、こういうクラシカルな京都ラーメンを提供する店は、減る一方になってしまうのだろうか。