• 肩ロースチャーシューメン(1030円)

  • 一年ぶりに。白いコックコートと帽子に身を包み、仕事をする御主人は、もちろん佐野実氏を師匠と仰ぐ。今日は肩ロースのチャーシューメン。このスープはすごい。佐野氏がかつて日本橋高島屋の脇にあった小汚い(失礼)、街の中華屋さんのこんどう軒で、チャーシューメンについて述べられた中で、このスープで何杯でも焼酎が飲めると感服していたことがあった。正にその感じ。このスープで酒が飲めるね、というかんじ。私はこんどう軒のチャーシューメンが好きで通っていたので、佐野氏の言葉が我が意を得たり、という感じだった。氏は、そのコークスで焼かれるチャーシューを絶賛されていた。他では、コークスで焼かないと出せない味わいなのだそうだ。肩ロースのチャーシューも味わい深い。そして何よりこのメンマが好きだ。2011年の震災以来お世話になる。真面目な仕事ぶりは、当然配膳される支那そばに表れている。佐野氏の大きな写真も掲げられている。極上の一杯のラーメンが、東松島と石巻市の境で頂けるなんて夢にも思ってみなかった。震災がなければ、一生知らずに終わったであろう店である。出逢いとは、時に皮肉なものです。感謝以外に、私に言えることはない。至極の一杯。ごちそうさまでした。