• 要の塩 様々な食材を使った塩そば チャーシュー増し(1500円)

  • 本当に色々なものが込み上げて来るスープ。今まで篠はらさんでは食したことのない太目の縮れ麺。ほん田さんの中華そばの手揉み縮れ麺より太いです。これがこの塩スープに良く合っている。きっとお馴染みの麺でも、また違った味わいが愉しめると思うけれど、軽やかでありながら幾重にも重なって来る旨味をうまく受けとめ持ち上げてくれる。食べ進めていくうちに、いや今日の塩そばにはこの麺が良いんだ、思う。四種類のチャーシューのおいしさも充分に堪能できた。そういうスープである。「疲れないおいしさ」と篠原さんは表現した。そう、だからこそ麺もしっかりした疲れない、へこたれない麺でなくてはならなかった。やはり塩のスープで輪切りの唐辛子は、スープをへこたれないようにする役目がある。台町のちとせさんで私は教えていただいた。そして今日、篠はらさんで改めてそう思った。蟹海老の様な派手さはないけれど、この軽やかで深い旨味の重層は、まるでワーグナーの無限旋律の様ではないか。「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲の様。素晴らしき一杯。