• 特製醤油 三種の肉団子(1250円)

  • 要の塩の直後の醤油には気をつけろ。
    正にこの通りだった。

    遅まきながら、篠はらさんのこの法則を、約半年ほど前になってから気付いたのであった。今更ながら、である。

    こ、この醤油は一体何なのだ⁈
    うおおお〜、これは一体..........。
    なんだか、とんでもない世界に飛び込んでしまったかのような.......、

    確かに醤油ダレが変わった。
    ただ、それだけで、こんなにおいしくなるものなんだろうか。
    と書くと、今迄醤油の味大した事なかったの?と篠はらさんを御存知ない方は思われるかもしれない。勿論そんな事はなく、とってもおいしかったのです。オンリーワンの醤油で、孤高の味わいだったのです。
    その味わいを更に突き抜けてきたので、この驚きを上手く言い表せません(もっとも、他の事もですが)。

    私の記憶では、篠原さんの力が抜けてきたのは一年ほど前からだろうか(勿論私の勝手な判断です)。
    今まで全身から力がみなぎり、いろんな旨味を味わいを重ねて、ラーメンの味をつくりあげてきた。
    それが、体幹を残して無駄な(かけ過ぎてきた)力が抜けてきた。その自然体になってきた事で、強さより、深く広い味わいになってきたと、私は感じてきました。
    篠原さんは、きっと、色々と醤油に昇華させるために、要の塩をなさっているのだろうと思う。
    ある意味自分で自分をがんじがらめにしてきていることから、その「がんじがらめにされた」自分を解放するために。
    だから、要の塩では、とことんここまでやるの?ということまでやる事も。

    「遊び」の中からしか新しい事は生まれない。「遊び」は、真剣にやるからこそ面白い。だからこそ、必然的偶然だって起きるのだ。それは行き当たりばったりとは違う。
    八咫烏の居山さんはとことん遊びますね。個人的にはついてけないラーメンもありますが、時折彼にしかつくれないだろうなあという、彼の感性の溢れた一杯が現出しますね。他には代え難い一杯が。きっと居山さんが真剣に遊んでるからだと思います。

    男子三日会わざれば刮目して見るべし。
    三国志演義の呂蒙の「士別れて三日、即ち更に刮目して相対すべし、という故事に由来する言葉ですが。

    篠原さんという人はそういう人だ。だからこそ、彼のつくられるラーメンも同じ事が言える。
    篠はらの醤油を一週間食べなかったら、とっても気になります。時に1ヶ月や数ヶ月食べられない時もあるけれど、あの人のつくる醤油ラーメンはどうなっているだろうか、と気になる。

    私のとっては、他に、ちとせさん、ののくらさん、きなりさん、秋もとさん、彩未さんのラーメンがそうですね。共通しているのは、いずれも未だに進化・深化しているという事ですね。
    最近になってそれを感じさせてくれる店数件に新たに出逢うことができました。
    他にも名前を挙げさせていただきたい店は数軒ありますが、そう度々はいけないところなので心の中だけに

    随分脱線してしまいました。
    ラーメンは、黙って食べるのが一番、という事は分かっていますが、個人の記録として使わせていただいているので、その日のラーメンをいただいて、思った事、感じた事を、臆面なく書き連ねることにしているので、どうぞ御容赦下さい。