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kottaro
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びぜん亭
東京都
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ちゃーしゅーそば(850円)
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正確には覚えていないが、軽く10年オーバーぶりの訪問。
そう言った意味では、昨日のべんてんさんに続く。
人は回帰するのだろうか。
ずうっと昔から今まで好きなラーメンもある。
けれど、長い間ご無沙汰だったラーメンをいただきたいな、と思うことが増えてきた。
色々食べてみたけれど、やっぱりこういうのが良いなあ、と思うことが増えてきた。
歳をとってきたからこってりしたものはもう願い下げ、というのとは違ってる。
どちらかと言うと、その類いは昔から食べていない。
私は、ラーメンにパンチやキレなるものを求めてはいないので。求めるとすればおいしさだけ。
音楽や本なんかもそう。
音楽なんて、今まで聴いてきた中でも、選別するのが大変。況んやラーメン屋さんをや。
学生時代に同時代的に村上春樹氏のデビュー作を読んで以来、中村文則氏の作品に出逢ったのが最後の自分にとっての新しい作家との邂逅と言えるかもしれない。言うまでもなく今までに出会った素晴らしい作品だけでさえも、残りの人生で読み直せないだろう数です。
別に門戸を閉ざしたわけではないけれど、一生のうち自分自身でマネージメント出来る数は限られている。食べることだってそうですね。
だから、最近は妥協せざるを得ない位なら食べません。自分の貴重な一食を自分の意にそわないものでがっかりしたくない。自分の意志で食べて外れるのは致し方がない。
音楽も文学も他の芸術も、ラーメンも摂取できる数には限りがあります。その限りある中で、大事に摂取していきたいと思っています。
今日はトロトロのチャーシューを口にして十何年の時間を超えたものを感じることができた。
何も変わらない、変えていない、進化なんかしてないよ、と仰る御主人。
ラーメンに造り手の人生が映る。