• 味噌チャーシュー大盛り(1230円)

  • 一年2ヶ月ぶりの訪問。今日は、前日から意を決して初志貫徹さんへ。
    高崎のくろ松さんへも伺いたかったが、月曜日は定休日であった。そういうこともあって、早々に決まった。完休の日でないと、中々遠出はし難い。

    とは言うものの、壮大な計画はあったのです。出発が遅れ、未遂に終わりましたが。
    長野松川村の麦一粒さんに営業開始前に到着し、お昼前に甲府の初志貫徹さんへ向けて一路南下し東へ向かう、と言うもの。
    あっさり霧散夢となりましたが。


    純すみ系とも違うが、見た目は似ていると映るだろう。おろした生姜が、チャーシューの上にのり、炒めた野菜が。

    チャーシューは煮豚系。
    麺は、三河屋さんの中太麺。市ヶ尾の秋もとさんで使われる、熟成の中細麺ではない麺と、感じが似ている。
    この麺で、去年も今日も違和感は感じない。

    ブレンドした味噌の旨さが際立つ点は、大阪の颯人さんに近い感じはする。颯人さんの系譜は言うまでもなく、札幌の凡の風さんだ。
    純すみ系とも味の三平さんとも違う。トラディッショナルな札幌味噌ラーメンとも違う。ニュー・トラディッショナルと私は呼びたいと思う。或いは、味噌ヌーヴォーと呼ぶべきか。

    ないものねだりで言うと、一度、秋もとさんで使われる三河屋さんの熟成の黄色い中細縮れ麺で、この初志貫徹さんの味噌をいただいてみたい。

    味噌がおいしいと言うのと、味噌ラーメンがおいしいと言うことは、言うまでもなく全く違うこと。味噌の名産地だから、おいしい味噌ラーメンができるわけでもない。
    寿司で言えば、良いネタだけでおいしい寿司ができるわけではない。江戸前を系譜としたしっかりした技術のもとでこそ、良い寿司が握られる。

    札幌にだって、これは如何なものかと疑ってしまうラーメン屋さんは沢山有るのだ。

    北海道ではない、東京の天虎さん・天鳳さん、大阪の颯人さん、甲府の初志貫徹さん、そして札幌味噌ラーメンとは異なる調理法であるけれど、その充足感が引けを取らない神奈川県の秋もとさん、山形の琴平荘さん。味噌汁ラーメンに堕していない味噌ラーメンです。この両者は全く違うものです。

    九段下の二階堂さんの味噌、カネジンの中太麺を使ったしっかりした札幌味噌ラーメンです。
    御主人曰く、味噌の修行経験はないそうです。
    秋もとさんと二階堂さんは冬季限定。そういうわけで、今年の3月までのシーズンは尻切れトンボ状態に。
    琴平荘さんは、言うまでもなく、宿の閑散期の5月一杯までと期限付きです。

    颯人さん、初志貫徹さんに新しい味噌ラーメンの流れがあるような気が、今はしています。
    札幌の彩未さんは孤高であるけれど、未だに一歩先を見つめたラーメンづくりをされているし、味の三平さんは、未だに札幌味噌ラーメンとは何ぞやという哲学的命題に答えを与え続けてくれる。
    そして颯人さんの御主人・石垣さんににご紹介いただいた凡の風さんを今年初めて実食する機会に恵まれて、私は自分なりに気付きました。ここにひとつの源流がまたあることに。

    上記の札幌の三軒と釧路のおはなさん、魚一さんを入れて、北海道を代表する味噌ラーメンとさせていただきます。
    他は既に記した様に。
    私は仙台が一大味噌ラーメン王国であることに気付いています。が、今の段階では余りに不勉強であります。
    長野信州や新潟に、私の知らない素晴らしい店がある様な気もしますが、私は未だに知り得ません。

    気付かれた方がいらっしゃると思いますが、ここに挙げた店は、札幌味噌ラーメンの店ばかりではありません。おいしい、素晴らしい味噌ラーメンを提供して下さる店です。

    断るまでもなく、以上私見です。

    追記: 町田成瀬の天国屋さんの味噌忘れてました。